床屋の外でくるくる回っている謎の三色の棒がありますが、このくるくるの棒は一体どんな意味があるのでしょうか。
くるくるを見ると床屋とすぐ分かりますが、どの床屋も同じ色のくるくるを使っています。
個性を出して違う色にすれば良いのになぜみんな同じなのでしょう。
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床屋のくるくるの歴史
床屋のくるくるの正式名称はサインポールと呼ばれています。
床屋でしか見かけたこと無いと思いますが、理髪店ですよというサインです。
確かにおしゃれな美容室でくるくるを見たことはありませんよね。
床屋のくるくるにはかなりの歴史があります。
昔の話ですが、中世ヨーロッパでは、理容師の仕事髪の毛のカットする事だけが仕事ではなく歯科治療や外科的手当をする理容外科医と呼ばれる職種だったようです。
現在は理容外科なんて職業はなく美容外科とは全く別物の仕事でした。
12~13世紀頃から外科医史まで発展してしまう、なんとも髪の毛のカットから外科的処置までしてしまうマルチな理容師になっていきました。
外科的治療とは言え、切った貼ったするわけではなく身体の悪いところに悪い血液が集まる(だろう)と考え調子の良くない部分から血液を抜き取る治療法だったのです。
その名も瀉血(しゃけつ)というもので、中世ヨーロッパ、近代のヨーロッパやアメリカのお医者さんたちまでも、この瀉血は凄いと信じていてこぞって治療に使っていました。
が…現代医学では全く医学的根拠は無かった…と分かったのです。
そんな根拠のない治療を続けながらも、患者は血液を抜き取るときにぎゅっと握っていた棒に血液がついてしまうため、棒全体を赤く塗り、傷口に巻いていた包帯を近くに干していたら、風に吹かれて包帯が棒にくるくると巻き付きサインポールの原形になったと言う説があります。
他の説では赤は動脈の色、 青は静脈、白は包帯の色と言う説もあります。
どちらにせよ医療関係から来ている色なんですね。
ちなみにこの床屋でくるくる回っているサインポールは日本だけではなく世界共通の床屋マークです。
なので自分の店だけ個性を出して、サインポールの色を変えるのはいけないようです。
海外に行った時に、どうしても髪の毛を切りたくなったらこのくるくるを探せば床屋だと一発でわかります。
言葉は通じなかったとしてもヘアカタログぐらい置いてあると思うので、指をさせばそれに近い髪型にしてもらうことは可能かもしれませんね。
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床屋のくるくるは何で回ってるの?
別に3色のサインポールであれば、電気代の無駄ですし、くるくる回す必要もないと思うのですが、これには意味があったのです!
実はくるくる回っていると営業中。
回っていないと定休日、営業時間外。
なんだかとっても単純ですが、見ただけですぐ分かるので、ある意味分かりやすくて良い発想です。
まれに床屋が混んで、てんてこまいな場合、くるくるを止めている時があります。
そんな時は少し時間をずらして行ってみるとまた回っているかもしれません。
くるくるは真夜中に回っていることもある
しかし中には真夜中に、くるくるが回っているのを見たことがある人もいるかもしれません。
実は見間違いでもなんでもなく、本当に回していたので自信満々に「夜中にでもくるくるしている時はあった!」と言っても大丈夫です。
ですが決して真夜中に営業しているわけではないので、仕事帰りに遅くなっても髪の毛をカット出来るとは思わないでください。
今は営業時間外はくるくる回っていないことが多いですが、昔はコンビニや24時間営業のお店がなく、道端の端っこの街灯だけでした。
これでは帰り道女性一人で歩いていると痴漢にも合いますし、やっぱり暗闇を歩いて帰るのは怖いものです。
そこで床屋は営業時間外でも回し続けていたのです。
昔のサインポールは光るものではなくただ、くるくる回っているだけのものでした。
くるくるが回っているだけで防犯効果がある
光っていないのになぜわざわざ回し続けたのかと言うと、人間の心理をついた作戦を思いついたからです。
暗闇を歩いて帰る人は、何かしら動いている物があるとちょっと安心しますよね。
また犯罪を犯そうとしている人は動いているものには敏感に反応し「もしかして誰かに見られてるんじゃ!」という気持ちになってしまい犯罪件数が減るのです。
床屋は街の安全にも一役貢献していたというわけですね。
最近のサインポールはLEDライト付きの物も販売されています。
しかし光らないタイプよりは倍のお値段がしまいます。
酔っ払ってサインポールを蹴飛ばしたりなどして、壊してしまったら弁償することになってしまうので気をつけましょう。
まとめ
床屋に置いてあるくるくるはサインポールという名前で中世ヨーロッパの時代から続いているものです。
昔はただくるくる回っているだけではなく、街の安全を守っていたりもしたので今後もこのくるくる文化残していきたいものです。
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