毛母細胞は簡単に死滅することは無い?

毛母細胞

髪は毛母細胞が分裂を起こすことで生えて成長していきます。

つまり健康な髪を生やすには毛母細胞が分裂するのを助けてやればいいのです。

育毛業界ではこれを毛母細胞の活性化と呼び、様々なヘアケア商品を開発しています。

ところで毛母細胞が死滅して薄毛になってしまうといった考え方を持つ人が多いようですが、本当にそうなんでしょうか?

参考記事:髪の毛が生える仕組み

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髪は毛母細胞だけで生えているわけではない

髪が生えるのは毛母細胞が分裂することで生えて成長することは間違いのないことですが、毛母細胞が分裂するのも“指令”があって初めて分裂を起こすのです。

その指令を出すのが毛乳頭 で、毛細血管から栄養の補給を受けて働けるようになっています。

毛母細胞が活性化するのも毛乳頭にかかっているのです。

つまり髪は毛母細胞と毛乳頭が正常に働くことで成長していくのです。

永久脱毛にみる毛母細胞の破壊方法

髪を生やすのとは逆に余分な毛を永久に生えてこないようにする永久脱毛という施術があります。

女性の間で脇毛や陰毛の処理のため、男性は濃いひげを生えてこないようにするためによく利用されているのが永久脱毛ですが、永久に生えてこなくなるまで長い期間がかかる ことで知られています。

これは毛を永久に生えてこないようにするためにレーザーを照射して毛母細胞を破壊 しなければならず、それには一度の施術では不可能だからです。

個人差はありますが、およそ4~5回くらいはレーザーを照射させなければ毛母細胞は破壊できないと言われています。

それくらい毛母細胞はしぶとく簡単には死滅しない のです。

それに永久脱毛といえども3~5年もすれば生えてくるといった声もたまに聞かれるので、毛母細胞も意外と強いのかもしれません。

なので、薄毛に悩む人で「もう自分の毛根は死んでいる」と諦める必要は無いのです。

参考記事:AGAで脱毛する仕組み

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AGAは毛母細胞が分裂しなくなる

AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンが変化したDHT が毛乳頭に働きかけて発毛指令をブロックしてしまうことで毛母細胞の分裂がストップすることで発症します。

つまり毛母細胞は生きているのに毛乳頭からの発毛指令が下りてこないので働くことが出来なくなるため分裂が止まり薄毛になってしまうのです。

毛母細胞には寿命がある

また毛母細胞の分裂回数も限られていて、通常40~50回 くらいで分裂は終了し二度と髪は生えてこなくなります。

毛は「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しながら生えては成長し、そして抜けていきます。

通常であればヘアサイクルの周期が2~6年 と言われていますが、AGAを発症すると0.5~1年 と短くなります。

仮に毛母細胞の分裂回数が40回でも通常のヘアサイクルなら短くても2年となれば毛母細胞の寿命は80年 ということになります。

しかしこれがAGAとなると仮に分裂回数が50回でもヘアサイクルが1年となれば毛母細胞の寿命は50年 ということになります。

なのでAGAを発症したら出来るだけ早期の治療が必要になるわけです。

本当に毛根が死滅する場合は?

毛母細胞がそう簡単には死滅しないことがこれでおわかりいただけたかと思いますが、本当に毛母細胞が死滅する場合もあります。

たとえば火傷や怪我など、頭皮が大きな損傷を受けた場合は毛母細胞も死滅することがあるので、そのような場合は髪が生えてくることは期待できないでしょう。

ただこうした場合でも皮膚移植などで髪の再生も可能なので諦めることはありません。

今の再生医療はかなり進歩してきたので、それこそ注射一本で髪を再生することくらいは近いうちに可能になるかもしれませんよ。

したがって男性ホルモンがDHTに変化するのをブロックしてやればAGAの発症は防ぐことが出来るので現在こうした治療法が行われて一定の効果をあげているようです。

毛母細胞の活性化するには

先にも書いたとおり毛母細胞は毛乳頭の指令が無ければ分裂することはありません。これにはDHTを抑えることが最も有効な手段と言われていますが、今のところ治療法としての決定打はありません。

ただ自分で出来る方法として頭皮のマッサージや育毛剤の使用、亜鉛を摂るなど毛母細胞への栄養補給を促すために血行を良くすることくらいでしょうか。

あとはストレス解消と軽い運動を続けることです。

いずれにしても頭皮への血流を良くすることが最優先なので健康的な生活習慣が重要ということですね。

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