近頃髪が生えるとして「糖質制限」を勧める人が続出しています。
「糖質制限」といえば糖尿病の食事制限でよく耳にする言葉ですが、早い話糖質を多く含む食べ物は控えましょうとということです。
というのは、糖尿病は血液中の糖である血糖値が基準値を上回ることで発症する病なので糖質を控えることで血糖値基準値以下にする必要があるからです。
糖尿病を放置しておくと血液中の糖質が血管を痛めて脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病に発展する可能性が高くなります。
それだけではありません。毛細血管が詰まってしまうので失明したり足の指から壊疽を起こし膝から下を切断することもあるとか。
薄毛も毛根へ栄養分を届ける毛細血管に支障をきたすことで、これは血液中の糖質により血管壁に問題が発症していると考えられています。
したがって糖質制限をすることで髪が生えるのではないかという考え方なのです。
糖質は老化を早める
人の体の成分比率は水分以外では、
タンパク質:約46%
脂質 :約43%
ミネラル :約11%
糖質 :約1%
となっています。
これを見れば糖質が約1%と少ないことが分かりますよね。
それでは日本人の主な食事の成分比率はというと
糖質 :約68%
タンパク質:約16%
脂質 :約11%
ミネラル :約5%
人の身体の1%しか占めない糖質が食事では68%も占めているのです。
各臓器の働きもあるとはいえ明らかに糖質摂取量が多すぎるのが分かります。
過剰な糖質がたんぱく質を劣化させる
糖質はたんぱく質を糖化させてAGE (終末糖化産物)と呼ばれる劣化したたんぱく質に変化します。
AGEは老化の元凶となる悪玉物質が大量に作られるためアンチエイジング業界では危険視されている物質なのです。
つまり糖質を過剰に摂ることで身体全体の老化が進み薄毛が進行するというわけです。
冒頭で書いた糖尿病の合併症である脳梗塞や心筋梗塞、失明や壊疽は、AGEの蓄積により血管内皮細胞などを傷つけることで発症するのです。
コラーゲンもAGE化する
コラーゲンはたんぱく質の一種で、皮膚や骨、関節、筋肉などの組織に存在して細胞を繋ぎとめる働きをしています。
またコラーゲンは細胞を規則正しく整列させる働きもあるとされています。
そのコラーゲンAGE化すると本来の働きが無くなり、肌のたるみやくすみ、シワやたるみ、関節が固くなるなど、老化が進むことになります。
この現象は頭皮でも同じことで、頭皮がAGE化してしまえば薄毛になるのも理解できるかと思います。
コラーゲンが不足することで薄毛になることも分かってきましたから、コラーゲンを積極的に摂るだけでなく糖質も控えることでコラーゲン本来の働きを維持して髪が生やすのも可能というわけです。
髪自体もAGE化する
薄毛を改善するためには頭皮のAGE化を予防することも重要ですが、髪自体も「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質で占めているのでAGE化し易いといえます。
ただ髪は細胞自体は死んでいるものなので製造元の毛母細胞がAGEの影響を受けないようにする必要があります
いずれにしても糖質制限を行うことで薄毛が改善する可能性も高くなり糖尿病の予防にもなれば一石二鳥ではないでしょうか。