髪が抜ける事は、女性はもちろん男性でもある意味恐怖でもありますよね。
ジワリジワリと額が後退する。
頭頂部から少しずつ薄くなる。
全体に薄くなっていく。
気が付いたら円形ハゲが出来ていた。
いきなりごっそり抜けてしまう。
・・・
いずれにしても髪が抜け始めると将来ハゲてしまわないかと心配事が一つ増えてしまい仕事も手に付かなくなることもあります。
その要因としては様々なものがありますが、病気が発端になって髪が抜けることだとしたら病気と脱毛といった二重のショックを受けて落ち込む人も多いのではないでしょうか。
その中でも一般的に知られているのが抗ガン剤の副作用による脱毛です。
今まで何となく抗ガン剤を投与すると脱毛すると聞かされてきましたが、何故抗ガン剤を投与すると脱毛してしまうのか気になり調べてみることにしました。
癌細胞は特異な細胞
感染症は様々な細菌やウィルスによって発病します。
たとえば大腸菌やコレラ菌などによって重篤な病を発症することがありますが、これらは全て外から侵入してきた細菌です。
対して癌細胞は自らの細胞のDNAが分裂する際にミスコピーを起こしてしまうことで増殖します。
つまり癌細胞は別のところから侵入してきた細胞ではなく、自分の細胞というのが特異な点です。
癌細胞が自分自身の細胞というだけあって抗ガン剤は他の細胞との区別が出来なくて副作用が起きてしまうのです。
抗ガン剤は癌細胞の分裂を抑え込む
癌細胞だけでなく他の細胞も生きている限り細胞分裂しては、分裂が止まって死んでいく細胞もあります。
その際細胞核にあるDNAによって遺伝情報を伝えます。
もちろん癌細胞も分裂の際には癌の遺伝情報を伝えようとします。
この働きを抑え込もうとするのが抗ガン剤の働きなのです。
簡単にいえば細胞が分裂するのに必要な物質を作らせないようにしたり、逆に過剰に作らせたりして細胞分裂を邪魔しているわけです。
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抗ガン剤は細胞分裂が活発なところに影響が出やすい
抗ガン剤の副作用で影響が出やすい場所は細胞分裂が活発なところです。
というのは癌細胞自体も細胞分裂が活発なため、それを攻撃するとなると同じように細胞分裂が活発な場所が影響を受けるというわけです。
その場所というのが
毛母細胞
造血細胞
消化管
粘膜など
つまり髪が生えるために活発に細胞分裂が起こっている毛母細胞が影響を受けやすいのです。
また毛というのはヘアサイクルがあることは髪の毛が生える仕組みでも書いていますが、これは身体の部位によって変わってきます。
髪の毛、眉毛、脇毛、陰毛など身体中には様々な毛が生えていますが、中でも髪の毛のほとんどが細胞分裂の活発な成長期にあるので最も影響を受けやすいのです。
多くは抗ガン剤投与開始後、2~3週間で脱毛が始まります。
抗ガン剤を止めるとまた生えてくる
これも良く知られていることですが、抗ガン剤を止めれば髪はまた生えてきます。
これは毛母細胞が細胞分裂を抗ガン剤により邪魔をされてストップしていたからで、抗ガン剤を止めれば細胞分裂を邪魔する物が無くなる為にまた生えてきます。
個人差はありますが多くは投与終了後3~6カ月くらいでまた髪が生えはじめます。
ただ、生え換わった髪は太さや色など質が違ってくることが多いようで、これは毛穴が緩むのが原因と言われていて、元に戻るのに長期間かかるといいます。
参考記事:毛母細胞は簡単に死滅することは無い?
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